朝鮮では経済の各部門における成果を広く一般化し、経済発展と人民生活の向上を促すための各種展覧会が年間を通して行われている。近年はその規模と領域が拡大、細分化され、これまでにない新しいテーマと形態の展示会が相次いで開催されている。展示会は通常春と秋に多く開催されるが、この秋も特色ある展示会が開催され、経済発展の一端を垣間見せた。

軽工業、先端科学技術分野

今秋には2つの展示会が初めて開催された。そのうちの一つが、10月25日から3大革命展示館軽工業館で行われている軽工業製品展示会「軽工業発展―2023」だ。

軽工業部門における過去10年間の成果と経験を交換、普及することを目的とした今回の展示会には、朝鮮で生産されている代表的な優れた製品が出品された。軽工業の発展の様相と水準、今後の展望を実感できるとあって、会場は毎日1万人以上の来場者で賑わいを見せている。

展示会には新設された工場をはじめ全国の550余りの企業が開発･生産した670余種、1万2千余りの製品が展示された。会場ではバッグ、靴、化粧品、被服製品、工芸品、電子製品、衛生用品、寝具、下着などの製品が展示されたほか、会場2階の一角には数十ヵ所の食料品生産企業によるバラエティーあふれる食料品や製菓類が所狭しと並べられた。

開催期間には、とりわけ地方工業近代化のモデルとされている江原道金化郡の工業地帯で生産された製品に注目が集まっている。また、スマートフォン展示コーナーにも多くの人々が足を運び、「ソナム」「チョルリョン」「ファウォン」などのメーカーが開発した最新機種などを手に取りながら、スタッフらと言葉を交わす姿も見られた。

労働新聞10月31日付は今回の展示会について、自力で作った製品が生活の最も身近なところから広がり始め、その領域がさらに拡大していると紹介。また、各地に築かれた自立的で現代的な軽工業の強固な土台を垣間見ることができたと伝えた。

今秋に初めて開催された「先進科学技術および製品展示会-2023」(「労働新聞」)

今秋に初めて開催されたもう一つの展示会は、「先進科学技術および製品展示会-2023」(10月17日〜27日、人民大学習堂)。この展示会は、先進科学技術に対する社会的関心と理解を喚起するとともに、その開発と導入を積極的に奨励して国の科学技術を世界の先進水準に引き上げることを目的とした。

展示会には、情報産業、金属、化学、機械、農業、電力およびエネルギー、軽工業、保健医療部門など300余の研究機関などにおける研究開発および導入での成果、多くの製品が出品された。

民主朝鮮10月24日付によると、各展示コーナーが盛況を見せる中、ある工場が出品した撮影用と農薬散布用のドローンにとりわけ熱い視線が注がれた。朝鮮では昨今、農業や森林経営部門などさまざまな部門でドローンが使われている。前述の工場では高品質かつ操作の簡単な朝鮮式のドローンを開発。現在は多彩な用途のドローンの生産に拍車をかけている。

展示会ではまた、国家科学院、農業科学院、黄海製鉄連合企業所、南興青年化学連合企業所、チンシム天然機能性製品工場などが出展した研究成果や製品が、国の経済発展と人民の生活向上に実質的に寄与するとして高い評価を受けた。

平壌ではほかにも、第11回平壌楽器展示会(9月18〜22日、平壌国際文化会館)、「秋季全国靴展示会-2023」(10月13日〜20日)などの展示会が行われた。一方、外国企業の参加の下、貿易、経済、科学技術分野で国と地域間の協力と交流を促す目的で2019年まで毎年春と秋に行われてきた国際商品展示会は、4年ぶりに仮想展示会の方式で10月30日から行われている。(了)